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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。

2020年10月29日のヘッドライン

  • 備えよ、次に。集団免疫説 苦境に
    コロナ免疫抗体急速減退か。抗体保有者率3ヶ月で6%から4.4%へ。
    英大学インペリアル・カレッジ・ロンドンのイングランド地方36万人大規模調査で。
    減退率高い高齢者、無症状者。医療従事者は持続。

  • 新型コロナウイルスはヒト皮膚表面で9時間程度生存 <京都府立医科大学>
    10月3日、京都府立医科大学消化器内科学の廣瀬亮平氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とインフルエンザA型ウイルス(IAV)のヒト皮膚における生存時間を比較した研究結果を発表した。
    研究では、SARS-CoV-2とIAVを、構築したヒト皮膚モデルおよび各物体(ステンレススチール、耐熱ガラス、プラスチック)に塗布。それぞれの表面上でのウイルス安定性を評価した。その結果、ヒト皮膚表面上のSARS-CoV-2とIAVの生存時間は、ステンレススチール・耐熱ガラス・ポリスチレンの表面の生存時間より大幅に短くなり、ヒト皮膚の表面はウイルスの生存には不向きであることが明らかになった。しかし、SARS-CoV-2は皮膚表面上で9時間程度生存し、1.8時間程度で不活化されるIAVに比して大幅に生存時間が長く、接触感染リスクが持続することもわかった。
    さらに、皮膚表面上のSARS-CoV-2は、80%エタノールによる15秒間の消毒で完全に不活化されるため、SARS-CoV-2に対する手指衛生の重要性が実証された。
    ◎参考サイト:京都府立医科大学 新着ニュース【論文掲載】ヒトの皮膚上に存在する新型コロナウイルスの生存期間を解明

  • 新型コロナウイルス感染症流行時の喘息入院が減少 <東京大学ほか>
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行当初、喘息の入院患者数が増加する可能性が危惧されていた。しかし実際は、国内におけるCOVID-19流行期間の喘息入院患者数が例年よりも大きく減少していたことがわかった。東京大学の宮脇敦士氏らの研究チームが、メディカル・データ・ビジョンの保有する大規模診療データベースを用いた、同社の中村正樹氏、慶應義塾大学の二宮英樹氏との共同研究から明らかになった。
    研究では、2017年1月〜2020年5月、喘息による入院患者数の週ごとの推移が継続的に観察できた全国272のDPC病院を対象に調査を実施。その結果、例年春先(3月上旬以降)から初夏にかけて、喘息の入院患者数は増加する傾向にあるにもかかわらず、今年は逆に減少する傾向だったことが認められた。この傾向は18歳未満の子ども、成人共に認められたという。
    結果の分析として、COVID-19感染を防ぐための外出時のマスク装着などが、呼吸器のウイルス感染や花粉などのアレルゲンや大気汚染物質などへの曝露を減らした可能性を挙げた。また、COVID-19が喘息発作を増加させる可能性があるという当初の懸念は、禁煙やアドヒアランスの向上、アレルゲンを除去するための掃除頻度の向上など、予防行動を促進したのではないかとも指摘している。さらには、地域レベルの予防策(学校閉鎖、大規模な集会の中止、在宅勤務の促進)や、経済的閉鎖に関連した大気汚染の減少も奏功した可能性があるとしている。
    ◎参考サイト:メディカル・データ・ビジョン プレスリリース

(公開日 : 2020年10月29日)