診療報酬深堀りニュース

2022年度診療報酬改定の答申内容を漢字一文字で表すと何か?

(執筆者)株式会社MMオフィス / 関東学院大学大学院非常勤講師 工藤高

2月9日に答申が行われて2022年度診療報酬改定の点数と主な施設基準等の変更点が明らかになった。詳細は3月上旬の告示・通知となるが、その内容はマイナーチェンジと言えよう。これは2018年改定の大改革のような入院料自体の再編がないという意味である。2018年改定で大改革をして、前回2020年もマイナーチェンジ、そして、今回2022年改定が2025年の厚労省が予定している地域包括ケアシステム構築に向けてフィニッシュの予定であった。

つまり、2025年に向けて2018年のホップ、2020年がステップ、そして今回はジャンプして、2024年の介護報酬との同時改定で着地し、同年4月からの医師の働き方改革施行と1年後の2025年の地域包括ケアシステム構築を迎える予定だった。ところがステップの2020年4月前に新型コロナの世界的パンデミックが起きたため、今回、改定の一丁目一番地だったはずの「医師の働き方改革推進」が「感染症対応」に置き換わった。

2022年度改定内容を漢字一文字で表現すると「弄(いじ)る」の「弄(そう)」だ。決して「人をいじる」といった「からかう」という悪い意味ではなく、既存の診療報酬点数の不具合な点、基準アップや新型コロナ感染状況に合わせていい意味で「弄(いじ)って」修正しているということ。たとえば「感染防止対策加算」という名称を「感染対策向上加算」 に変えて2区分から基準の低い3を新設して3区分にした。新型コロナパンデミック下では「感染防止」ではなく「感染対策向上」なわけだ。

ただし、地域包括ケア病棟入院料などはあまりに弄りすぎて、一部の病院にとっては本年9月までの経過措置があるとはいえ、オミクロン株対応で医療現場が有事な中で精神衛生上において安寧(あんねい)な状態ではいられない内容だ。看護必要度のモニター心電図削除等による変更も同じだ。ハシゴは外れなかったが、ハシゴの角度が90度を超えたために施設基準を満たせずに落下する医療機関があろう。他には1枚の処方箋が3回まで利用できる「リフィル処方箋」導入や「不妊治療の保険適用」など新たなカテゴリーも導入したし、オンライン診療は別建てだったのものを通常の初診料、再診料の中に「情報通信機器を用いた場合」として組み込んだ。

ともかく、細かく弄っているために「個別改定項目(短冊)」も493ページと過去最大級の厚さになっている。ちなみに2010年改定は200ページ強でしかなかった。これらの2022年改定の詳しい内容は弊社独自の経営シミュレーションを盛り込んで3月7日(外来・在宅)、10日(入院)で詳しくお話ししたい。厚労省資料の単なる朗読セミナーではない。

(公開日 : 2022年02月10日)
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