沼田憲男の文章学事典【SAMPLE】

沼田憲男の文章学事典とは

元日経新聞記者で文章トレーナーとしても活躍している沼田憲男氏が手掛ける文章指導法を学習できるコンテンツです。オベリスク会員向けに考案された文章指導法「N 式10 箇条」を通じて、基本的な作文技術とその活用方法について学習できます。


はじめに

歳をとり医療関係者にお世話になることがだんだんと増えてきた。最近は母の在宅介護をしながら病院、介護施設、薬局の間を頻繁に行き来している。
医療、福祉の仕事は、現場の方々の立ち働きを見るにつけ「大変な激務」と実感している。親切に優しく対応していただき、その気遣いには頭が下がる。
この方々はまた、外来者の目につかぬところで組織運営上不可欠な多種多様な文書作りにも携わっている。ところが、大多数が書くことに難儀しているというのだ。
そこで、どのような文書をどのように書いているのかを調べたところ、苦労の原因が「文章を書くコツを知らない」ことにあるとの確信に至った。
そもそも、今も昔も文章を上手に書く人はそう多くはいない。素養がないと書けないからだ。素養というのは「平素の修養によって身につけた教養や技術」(岩波国語辞典)である。
ところが、上司も部下も「日本語が話せるから文章も書ける」と思い込んでいる。これこそが誤りで、コツも知らずに気持ちだけが「上手に文章を書かなければいけない」と身構え、かえって失敗を招いているのだ。
仕事の文章に名文、美文は要らない。
要は、情報を「正しく」「簡潔に」「わかり易く」伝えることだ。
実は、その技術、コツはいたって簡単なのだ。
知れば「なんだそんなことか」と驚く程度の話だ。「コロンブスの卵」みたいなものだ。
それがN式の文章の書き方なのである。
このコツを早く身につけ、文書作りの苦手意識と決別しよう。
そうすれば仕事の時間を劇的に短縮できるし、重苦しいストレスからも解放される。
より良い人生になるはずだ。

沼田憲男(講師)


N式10箇条を見てみよう

  1. 読む人は誰
  2. 「正・簡・易」
  3. 5W1H
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それぞれ解説で詳しく見ていきましょう。

※ 資料の一部を抜粋。


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(公開日 : 2023年04月01日)