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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。

2024年5月21日のヘッドライン

  • 裁判員裁判開始から15年。「掲示裁判に市民感覚を反映させる」の目的は達成されつつあるが、中間の総括の必要性。
    経過率が70%近く、平均審理期間の長期化(2023年は14.9日)の課題も顕在化。
    費用対効果のコスト面での視点も重要。

  • 高齢者では過体重や軽度肥満のほうが、心血管疾患の予後が良好 <国立循環器病研究センター>
    国立循環器病研究センターは5月7日、日本脳卒中データバンク(JSDB)の登録情報を用いて、BMIが脳卒中後の転帰に影響を及ぼすことを解明したと発表。肥満度の高い人は生活習慣病や心血管病の発症リスクが高い一方、心血管病発症後の機能回復はむしろ良好という、「obesity paradox」が見られたことを明らかにした。対象としたのは、2006年から2022年までJSDBに登録された急性期脳卒中例のうち入院時にBMIが入力された約5万6,000例。退院時の転帰は、「修正ランキン尺度」の「5~6」を不良、「0~2」を良好と定義した。解析の結果、次のことが明らかになった。▼「低体重(BMI 18.5未満)」は、脳梗塞と脳出血の転帰不良リスクを約1.4~2.3倍に高める▼アテローム血栓性脳梗塞では、BMIと転帰不良にU字型の関連を認め、「低体重」と「肥満」はいずれも、転帰不良のリスクを高める▼「低体重」は、とくに重症の脳梗塞や再灌流療法後における転帰不良と関連▼「過体重(BMI 23.0~25.0)」「80歳以上の高齢者におけるI度肥満(BMI 25.0~30.0)」は、脳梗塞後の転帰不良のリスクが9~17%低下し、obesity paradoxを認めた。この結果について研究グループでは「高齢者の低体重は、低栄養や全身状態、心身の脆弱性、身体的機能低下を反映することが多く、急性期脳卒中発症後の消耗に対して予備能が乏しいことが、転帰不良のメカニズムに挙げられる。フレイルやサルコペニアなどの影響が考えられる高齢者の体重減少の抑制は、脳卒中診療においても重要と考える」としている。
    ◎参考サイト:プレスリリース

  • 独自のマイクロサージャリー支援ロボットを開発 <ソニーグループ>
    ソニーグループは5月9日、手術器具の自動交換と精密操作が可能なマイクロサージャリー支援ロボットを開発したと発表した。試作機は、高感度な操縦デバイスで捉えた医師の指先の動きを、人の手首のように滑らかに動作する手術器具で縮小して再現。また手術器具を小型化し、自動交換を実現しているという。今回の試作機は今年2月には、愛知医科大学において試作機を用いた実験が行われ、マイクロサージャリーを専門としない医師および医療従事者により、動物の血管(0.6mm)の吻合に成功した。これは、自動での器具交換が可能な手術支援ロボットを用いて微小血管吻合に成功した世界初の事例という。
    ◎参考サイト:ニュースリリース

(公開日 : 2024年05月21日)
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