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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。
2020年3月2日のヘッドライン
- <OWLオピニオン>コロナ防疫対策・電話処方について
懸案となっていた電話処方について、2月28日(金)付で厚労省医政局から各団体宛に通知が出され、解禁となりました。
1.可能となった内容
慢性疾患患者に対する、医師の電話再診による処方箋の発行。
2.条件・制限
・コロナ感染拡大上必要と判断されること。
・電話や情報通信機器を用いて患者の同意のもと、診察を行うこと。
・医薬品が必要な状態であること。
・既に診断されている慢性疾患患者であること。
・当該患者に処方されていた慢性疾患治療薬の処方箋であること。
3.処方箋の受け渡し
・患者の同意を得て、患者の希望する調剤薬局にFAXで送信すること。
・処方箋本紙は後日患者が対面診察等で来院した際に渡し、患者はこれを薬局に持参すること。
・患者もしくは代理人から、直接調剤薬局にFAXもしくは持参することも可。
4.カルテ及びレセプト記載上の注意
・算定は電話再診+処方箋料。
・定期処方のみが対象。慢性疾患薬以外は不可。
・カルテに患者の同意、電話再診の判断理由、処方の必要性を記載。
・レセプトには電話処方の理由を記載。 - <OWLオピニオン>今日から一斉休校
突然の一斉休校要請。現時点で使用者や管理者が抑えておくべき、 人事労務面のポイントを次のように整理してみます。
(1)正確な情報の入手に努めること
2月27日の安倍首相の小中高休校要請は、あくまで「要請」にとどまり、 実際に休校するか決めるのは、各地の自治体・教育委員会です。 根拠としては、学校保健安全法20条に「学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、 臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。」と規定されており、この規定に依ると 「学校の設置者(国公立の場合は自治体であり、教育委員会が最終的な責任者)」が休業を行うことになります。
3月1日12時時点の各都道府県の感染者数は次のとおりとなっています。 感染者の無い自治体を中心に、休校しないという判断をしているところもあります。
◎参考サイト:国内事例(チャーター便、クルーズ船の患者を除く)における都道府県別の患者報告数(2020年3月1日12時時点)※PDF
また、休校要請は小中高と特別支援学校が対象。保育園、幼稚園、学童は対象外。 むしろ、厚労省は、学童保育を原則開所するよう通知しています。 したがって、まずは、当該医療機関が所在する自治体(従業員が居住している自治体)において、 休校実施の有無、範囲を正確に把握することが第一です。 学童保育の受入は、それこそ混乱すると思われるが、従業員から情報収集し、情報共有に努めることが求められます。
(2)休暇等への対応
事業場への出勤がマストではない業種では、テレワークによる在宅勤務による対応が第一だと思われます。 しかし、医療機関は、ほとんどの従業員においてテレワークによる対応は不可能です。 そうすると、休校により保護者自身が子供をみる必要がある家庭では、休暇によって対応する以外ないと思われます。
28日の安倍首相の答弁によると、経済界に対して有給休暇を取りやすくするようお願いすると発言しているので、 政府としては有給休暇の取得による対応を求めているものと理解できます。 そうすると、使用者としては、休校に伴う有給申請には応じることが望ましいといえます。 その後の加藤厚労相の記者会見による説明では、雇用調整助成金の拡充策として、 中国関連の販売が1割以上を占める企業を対象とした現行の特例措置を、 新型コロナで影響が出る企業全般に広げることを検討することになっています。 同助成金が拡充された場合は利用すべきでしょう。
(3)その他
ご存知の通り、27日付の日本医師会の新型コロナウィルス対策に関する要望書には、 5項目のうちの1つめに「学校の臨時休業」が挙げられています。
◎参考サイト:新型コロナウィルス対策に関する要望書(日本医師会)※PDF
同要望書が政府の休校要請に影響を与えたか否かは不明ですが、 日本医師会としてかかる要望を行い、その1つが実現した以上、 休校に伴う保護者の休暇取得等、医療機関の現場の状況を踏まえた医師会からの何らかの提案が期待されます。 - 新型肺炎COVID-19 クルーズ船下船完了
大相撲も無観客開催。
中国本土の感染者8万人超、死者2,900人超。中国外の感染者発生国59ヶ国。 - 企業に対し定期健診への風しん抗体検査導入求める <厚生労働省>
厚生労働省は先ごろ、経団連に加盟する大企業などに対し、定期健診に抗体検査を導入するなどの対策を強化するよう要請した。対象は風しんの予防接種を受ける機会がなかった40~57歳の男性で、検査を受けた人数を厚生労働省へ報告することなどを求めている。東京オリンピック・パラリンピックを目前に、風疹の拡大を防ぐのが狙い。中小企業には、協会けんぽを通じ、健診実施機関との協力などを促した。
◎参考サイト:厚労省・中小企業向け(風しんの追加的対策促進策) - 医療介護施設等の間で患者情報を共有する取り組みを試行 <神奈川県>
神奈川県は2020年度から「地域医療介護連携ネットワーク」を試験的に構築・運用する。病院、診療所(医科・⻭科)、薬局、訪問看護事業者、訪問介護事業者等の間で、患者の医療情報を共有・閲覧する取り組みで、転院の際のカルテ情報のスムーズな引き継ぎや、薬の重複投与防止などの効果が期待されている。まずは二次医療圏からモデル地区を選定し、成果と課題を検証する予定。
◎参考サイト:地域医療介護連携ネットワーク(神奈川県)
(公開日 : 2020年03月02日)