塚田智のデジタルリスクマネジメント十ヵ条
倶楽部オベリスク(eアカデミア)で毎月配信中のマネジメントに役立つヒント十ヵ条の一部を公開しています。
[RMG10]リモート接続のリスクを考えるヒント十ヵ条
(執筆者)俯瞰マネジメント研究会 | 塚田智
1.厚労省は、ランサムウエアによる医療機関へのサイバー攻撃が相次いでいるとして、全国の病院のサイバーセキュリティの実態調査を開始すると発表した。 今後医療機関のサイバーセキュリティ問題は、大きな関心を呼ぶと思われる。
2.デジタルリスクマネージャーにとってリモート接続に係るファイアウォールの脆弱性は、常日頃から感じられることである。機能やシステムの保守管理上、リモート接続は回避できないものである。しかし、そのリスクを最小にしておくことは、デジタルリスクマネージャーの職務である。ここで原点に立ち戻って、リモート接続のID管理について再学習をしておきたい。
3. 医療施設へ外部からリモート接続するのは、次に挙げるように、主にサーバーとアプリケーションの保守作業が目的である。
● サーバーのハードに問題ないか確認する。
● CPU、メモリー、ストレージの利用状況を確認する。
● アプリケーションプログラムを更新する、または更新のためのファイルを配布する。
● システムの設定を変更する、または障害を調査し修正する。
● 標準的なマスターや、薬品添付文書などのデータを更新する。
4.上記の作業は、業者から医療施設へリモート接続し、オンライン環境で実施される。
業者が現地に訪問して実施することは、ほとんどない。
サーバーやアプリケーションの保守作業はネットワーク越しに行われる。実際にサーバー室に入ってハードそのものを確認、操作するのは、部品交換などの特別な場合のみである。ネットワーク越しの作業であれば、施設内でも施設外でもできることは同じ。さらに、施設内では、作業場所が限られていたり、作業に必要な情報を取得しにくい場合が多く、非効率なことがある。もちろん、現地までの移動にかかる時間や費用を削減する意味もある。そのために、ほとんどのシステムにおいてリモート接続が必要になる。
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