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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。

2023年2月6日のヘッドライン

  • 5類移行着実に。蓄積しよう、コロナの体験。日本コロナ死者数2日連続100人台。
    収束ムード拡がる気配。イベント控えマスク早目に解禁か。
    中国海外団体旅行緩和へ。今のところ日本は含まれず。
    日本の直近一日当たりコロナ死者数は188人。
    直近の一日当たりのワクチン3回目接種者1万1千人。累計は85,757,023人。接種率68.1%。
    4回目は一日当たり3万6千人。累計は57,249,982人。
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    ◇国内の新型コロナワクチン接種回数・接種率等☞首相官邸HP
    ◇国内の新型コロナ感染者数状況☞NHKオンライン

  • NASHに対するデジタル療法の効果を、世界で初めて確認 <東京大>
    東京大学は1月24日、同医学部附属病院を中心とする研究グループが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対する治療用アプリを用いたデジタル療法の多施設臨床試験で、その効果を世界で初めて示したと発表した。使用したのは、株式会社CureAppと共同開発したNASH治療用アプリ。個々の患者に最適化された治療ガイダンスを提供し、患者の認知と行動の改善を通じた減量を達成することを目的に開発された。このアプリを用いた48週間の介入により、平均8.3%の体重減少が達成され(NASH診療GLでは体重の7%の減量を推奨)、肝組織の脂肪化や炎症、風船様変性から成る病理学的スコア(NAS:NAFLD activity score)が試験開始時に比べて有意な改善を示した。試験前後のNASは、過去の研究における経過観察群のデータを元に設定した比較対照群との比較においても有意な改善を示したという。また、デジタル療法開始前に中等度以上の線維化を認めた患者の半数以上(58.3%)に、線維化ステージの改善が認められた。研究チームでは、「現状確立された治療法の存在しないNASHに対してデジタル療法が有効であることが示された。患者の認知と行動の改善を通じた減量による治療が達成されれば、NASHにより生じる肝硬変や肝癌のみでなく、肥満がリスクとなり生じる他の疾患の予防にもつながり、日本の医療費削減への貢献も期待される」としている。
    ◎参考サイト:プレスリリース

  • 中鎖脂肪酸とその受容体に、肝機能保護作用を見出す <京都大・農工大>
    京都大学と東京農工大は1月18日、両学の研究グループが、過食・高脂肪食摂取により誘導される脂肪毒性から、生体内でその時、産生される中鎖脂肪酸とGPR84受容体が、肝機能保護に働くことをマウス実験によって明らかにしたと発表した。肥満などの代謝性疾患は脂肪肝(一部は、非アルコール性脂肪肝炎:NASH)を招き、肝硬変・肝がんへ移行するが、その正確な進展機序は不明なままだった。GPR84は中鎖脂肪酸の受容体と考えられており、研究グループは以前、経口摂取した中鎖脂肪酸油(MCTオイル:特にカプリン酸C10:0)が、GPR84を介した腸管ホルモン分泌により血糖上昇を抑制することを明らかにしたが、その生体内における生理的意義は不明なままだった。今回の研究では、高脂肪食摂取から肝臓で高産生された中鎖脂肪酸がGPR84に作用することで、マクロファージの過剰な活性化を抑制し、脂肪肝から進展する肝臓の炎症とそれに伴う肝線維化を防ぐことが見出された。さらにNASHモデルマウスに対し、カプリン酸(C10:0)MCTオイルを食事へ補充したり、GPR84作動剤を投与したりしたところ、NASHへの進展が著しく抑制されたという。研究グループでは、「MCTオイルによる肥満・糖尿病とその関連疾患の予防、GPR84を標的とした、NASH治療薬の開発に向けて今後、本成果の応用が期待される」としている。
    ◎参考サイト:プレスリリース 京都大 農工大

(公開日 : 2023年02月06日)
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