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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。

2023年8月14日のヘッドライン

  • 健康第一、換気・うがい・手洗いで。マイナ保険証、デジタル化の前に、アナログの谷。
    谷の深さに足竦む自治体。総点検と資格確認書の事務負担重く。
    町・村レベルでは人手不足・カネ不足の嘆きも。共同通信の市区町村アンケートから。

  • 乳がんについて、思春期の変異から発症に至るまでの経緯を解明 <京大ほか>
    京都大学は7月28日、乳がんについて、思春期前後に生じた最初の変異の獲得から数十年後の発症にいたるまでの全経過を、最先端のゲノム解析技術により世界で初めて明らかにしたと発表した。東京医科歯科大、慶應大との共同研究グループは、加齢に伴い単一乳腺細胞に変異が蓄積していく過程を解析。全ての乳腺細胞には閉経までに毎年約20個の変異が蓄積すること、閉経後には、蓄積速度が約1/3に低下すること、1回の妊娠出産で約50個変異が減少することを見出した。研究グループでは、この結果について「変異の蓄積が女性ホルモン(エストロゲン)に依存していること、妊娠出産後には、それまで休眠状態にあった細胞から新たに乳腺組織が再構築される可能性があることが示唆された」としている。続いて、研究グループは、このようにして決定された変異の獲得速度に基づき、乳がんとその周りの良性の増殖性病変や正常上皮との遺伝学的な関係性を調べることで、乳がんの初期の変異の獲得からその発症に至る経時的な経過を推定した。その結果、次の3点が推定された。(1)乳がん全体の約20%を占める「der(1;16)転座陽性の乳がん」の起源は、思春期前後に当該転座を獲得した単一の細胞に由来すること、(2)同細胞は分裂増殖を繰り返し、数十年後に乳がんを発症するころまでには、乳腺内の広い領域にわたって拡大するに至ること、(3)こうした拡大の過程を通じ、30歳前後までには、その後乳がんを発症することになる複数の起源の細胞が生じ、これらの細胞から多中心性に発がんが生じたこと――。今回の研究結果について研究グループでは、「人生の極めて早期に変異を獲得した細胞からがんが発症するまでの全体像を初めて明らかにしたものであり、今後、乳がんの発症予防や早期発見、早期治療の開発に貢献すると期待される」としている。
    ◎参考サイト:プレスリリース

  • 遠隔手術支援システムで、へき地病院での手術を安全に実施 <徳島大学>
    徳島大学は7月13日、同大病院(徳島市)と徳島県立三好病院(三好市)との間で手術映像を送受信できるシステムを開発したと発表した。開発された配信システムは、1GbpsのVPN(仮想専用回線)を用いて、平均遅延速度は250msと、遠隔手術指導で推奨されている450ms以内を満たしている。音声によるリアルタイムなコミュニケーションのみならず、実際の手術映像にタッチペンで書き込みができるアノテーション機能を有しており、今年4月の導入以降、大学病院の内視鏡技術認定医による遠隔指導の下、三好病院で卒後4年目、12年目の外科医が腹腔鏡手術(鼠径ヘルニア修復術5例、大腸切除術3例、胃切除術2例)を実施しているという。同大では、「へき地で勤務していても専門医から手術指導を受けることが可能となり、若手医師に魅力ある研修システムの開発、外科医偏在化の解消に寄与すると思われる」としている。
    ◎参考サイト:プレスリリース

(公開日 : 2023年08月14日)
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