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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。
2024年4月30日のヘッドライン
- 「一物二価」の壮大制度、診療報酬で行うことを財務省提言。
診療所過剰地域は低く、過少地域は高く」と。強制的「一物二価」の成功例知れず。
マイナ保険証と同類、思い付きで失敗したはもう許されない。
十分な調査・研究・実験が必要。まずは全国一律の国家公務員の給与で実験するのも一つの方法かも。
- アルツハイマー病の病理学的変化を予測するバイオマーカー <東京都健康長寿医療センター>
東京都健康長寿医療センターは4月15日、アルツハイマー病による病理学的変化を、高精度に予測できるバイオマーカーの開発につながる研究成果を公表した。研究チームは、脳脊髄液アルツハイマー病バイオマーカー検査を過去に行い、その後病理解剖を行った127例を対象に検討した。結果、タウの蓄積が広がっていない症例の中でも脳内のアミロイドβ病理の強さとともに、脳脊髄液中のリン酸化タウが軽度増加していることを明らかにした。一方で脳内にアミロイドβ病理を認める症例の中でも、タウの蓄積が広がると脳脊髄液中のリン酸化タウはさらに増加していることを明らかになった。脳脊髄液中のアミロイドβ42は脳内のアミロイドβ病理の強さとともに減少しているものの、進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症など一部の疾患では、脳内アミロイドβ病理がないにも関わらずアミロイドβ42が減少することがあることも判明した。これらの結果から脳脊髄液アルツハイマー病バイオマーカーを測定した患者の脳内で起きている病気の状態(病理学的変化)を、臨床現場においてより高精度に予測できることが期待できる、としている。
◎参考サイト:プレスリリース【PDF】
- 受動喫煙による肺がんの遺伝子変異は、予後を悪くするタイプが多い <国がん・東京医科歯科大>
国立がん研究センター研究所と東京医科歯科大学は4月16日、受動喫煙は能動喫煙とは異なるタイプの遺伝子変異を誘発すること、その変異は、初期の腫瘍細胞の悪性化を促すことで発がんに寄与することを明らかにしたと発表した。共同研究チームは、国がん中央病院で手術を受けた非喫煙者女性291人、能動喫煙者女性122人の肺腺がんについて、ゲノム全体にわたる変異を同定。その結果と受動・能動喫煙歴を掛け合わせて分析したところ、10歳代、30歳代のいずれか、あるいは両方で受動喫煙を受けていた(月に1~2日から毎日まで)人に生じた肺がんでは、受動喫煙を受けていない人の肺がんと比べて、より多くの遺伝子変異が蓄積していた。また、受動喫煙者では、能動喫煙者の肺がんで見られるタイプの変異がごく稀にしか見られず、受動喫煙者に多く見られた変異のタイプは、抗がん薬が早い段階で効かなくなってしまうなど、予後を悪くするタイプであったという。研究チームでは「受動喫煙回避が、肺がん予防において重要であること示すもの」としている。
◎参考サイト:プレスリリース
(公開日 : 2024年04月30日)