新時代のリスクマネジメントを考える十ヵ条シリーズ No.17
倶楽部オベリスク(eアカデミア)で毎月配信中のマネジメントに役立つヒント十ヵ条の一部を公開しています。
[RMG10]No.17 デジタルリスクマネージャーのためのバックアップ学十ヵ条
(執筆者)俯瞰マネジメント研究会 | 塚田智
新時代のリスクマネジメントを考える十ヵ条シリーズ(RMG10)とは 世の中はICT社会化が加速しており、産業革命以来の大変革の時代という人もいます。個人情報を多く扱う医療機関は、これまで誰も考えたことがない程のICTリスクにさらされます。リスク対策に必要なことは前もって「考える」こと。倶楽部オベリスクのeアカデミアコースでは”考えるためのヒント”を提供しています。三人寄れば文殊の知恵です。当サイトではその一部を公開しています。もしご興味がございましたら、是非倶楽部オベリスクのeアカデミアコースへご加入ください。 |
1.“バックアップ”、何と頼もしい言葉であろうか。野球ではバックアップ効果でピンチすらチャンスに変化する。情報システムでも同じである。情報システムの最悪はシステムダウンである。システムの可用性や信頼性を確保するために、様々な対策が求められる。
これらの対策の中で、バックアップを活用した復元は最終切り札である。
どんな障害があっても、バックアップがあればシステム復元が出来るはずだからだ。逆に言うとそれ以外の方法はないということだ。つまりバックアップはシステム維持の最後の砦である。最後の砦があるからこそ、日常の運用上のリスクがある程度許容されている。デジタルリスクマネージャーは、このような観点で各自の施設のバックアップと復元の手法に習熟する必要がある。
2.バックアップは、システム(プログラム・VMなど)、データ(データベース、ファイルサーバーデータなど)、管理ソフト、ハードウェアが関連している。これらがすべて適切に設定され、正常に動作していないとバックアップは成功しない。バックアップは、システム運用の中でも比較的失敗しやすいタスクなのだ。これらのバックアップが失敗する共通要因としては、バックアップ先の容量の不足、バックアップのタスクの不起動、などが考えられる。
バックアップの一連の操作を自動化するために、バックアップ管理ソフトがある。
3.バックアップの一連の操作を自動化するためのバックアップ管理ソフトは特に重要である。管理ソフトは、システムやデータベースに指示を出してバックアップデータを作成し、それを取得して適切な場所に移動し、世代管理することができる。管理ソフトに関する失敗事例には以下のようなものがある。
- 管理ソフトが指示したにもかかわらず、システムやデータベースが何らかの理由で、バックアップデータを作成できなかった。
- バックアップデータを移動しようとしたが移動先の容量が不足していた、または移動先が存在しなかった。
- 移動先がテープドライブの場合に、テープの入れ忘れ、またはテープの入れ間違いがあった。
- 管理ソフトに設定ミスがあり、タスクが適切なタイミングで実行されなかった。
4.これらの失敗のリスクに対して、どのような対策がとれるであろうか。まず、・・・続きをご覧になりたい方は「倶楽部オベリスク」のeアカデミアコースにご入会下さい。