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≪決算書の簡易診断≫
上場している様々な企業の決算書の簡易診断結果を提供しています。

決算書の簡易診断 No.3 株式会社ビー・エム・エル

株式会社ビー・エム・エル 簡易B/S、P/L

【決算書の簡易診断とは】

実在する企業の決算書(主に貸借対照表と損益計算書)の中身を4つのチェックポイントから簡易的に経営診断したものです。各チェックポイントを独自の判断により「優」「良」「可」「不可」の4段階で評価しています。

簡易診断結果は十分な経営分析ではありません。参考としてご覧ください。


【チェックポイント1】債務超過に陥っていないか?

  1. 2019年度3月期時点の負債純資産合計は1,160億円で、対前年度+65億円の増加となっています。
  2. そのうち、負債合計は348億円(対前年度+16億円)、自己資本(純資産)は811億円(対前年度+49億円)です。負債純資産合計よりも負債合計が小さいので債務超過ではありません。
  3. 自己資本比率は69.9%(※自己資本=純資産としています)で、前年度より+0.3ポイント増となっています。
  4. 2018年度の東証一部上場企業の自己資本比率のランキングでは上位約2割に含まれており、高水準であることが分かります。
評価「優」

【チェックポイント2】営業利益・経常利益は黒字か?

  1. 当期の本業の基礎収益力を表す営業利益は105億の黒字で、対前年度+11億円の増加となっています。売上高営業利益率は8.9%で、対前年度+0.7ポイントの上昇です。
  2. 当期の正常収益力を表す経常利益は105億の黒字で、対前年度+11億円の増益です。
  3. 売上高経常利益率は9.3%で+0.6ポイントの上昇です。
  4. 売上高営業利益率、売上高経常利益率はどちらも高水準です。また、売上高の増収を確保しながら収益力を向上させており、とても良い経営状態です。
評価「優」

【チェックポイント3】損益分岐点比率は100%を下回っているか?

  1. 損益分岐点比率は74.2%で、対前年度▲1.5ポイントの改善です。
  2. 固定費は対前年度+7億円で313億円に増加していますが、それ以上の貢献利益の伸び(対前年度+18億円)を確保した結果、損益分岐点比率は改善しています。
  3. 貢献利益を増やしながら改善していることから、生産性の向上が伺えます。
評価「良」

【チェックポイント4】現・預金残高は月商(ひと月の売上高)の1.5ヶ月分あるか?

  1. 運転資金や手形の不渡りなどの不時に備えた手元現預金月商倍率は5.32ヶ月(対前年度+0.42ヵ月)で、判断基準値1.5ヶ月を大きく上回っており、とても良い水準です。
  2. 資産のうち約45%が現預金となっており、手元資金は潤沢です。財務的な安全性は非常に高いと言えます。
  3. なお、損益計算書の営業外損益が前年度とほぼ同じである点から、負債の部の借入金の増加がないことが推測できます(実際には無借金経営です)。このことから、負債と純資産で調達した資金は、そのほとんどが営業活動に関わるもので得られたものであることが分かります。
評価「優」

【総合評価】

  1. 2019年3月期は対前年度で増収増益となっており良い経営成績です。自己資本は強化(上図に記載はないですが、利益剰余金は対前年度+50億円で646億円に増加)されており、財務状態ともに良い水準です。
評価「優」

【その他】

  1. 第3回目は、臨床検査事業を中心とした企業を取り上げてみました。
  2. 仕入値や検査委託料などの交渉を行う際は、取引先の経営状態にも注目することが大切です。2018年の診療報酬改定では検査料が引き下げられたにもかかわらず、検査会社は増収増益を確保している点に注目です。ご自身の医療機関の経営状態と比べてみましょう。
  3. 2019年10月の診療報酬改定では一部を除き検査料等は据え置きとなりました。したがって、検査だけでみると、医療機関の売上は変わらないのに対し、外注検査費や委託料、試薬料などの原価部分は最低消費税分増加することになります。貢献利益の流出となりますのでご留意ください。


会計の本質的な部分を理解し、貸借対照表と損益計算書の中身を読み解く力をつけることで、より詳細な分析を行うことができます。「絵でつかむ会計力リーダー養成講座」をまだ受講されていない方は是非ご検討ください。


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