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≪決算書の簡易診断≫
上場している様々な企業の決算書の簡易診断結果を提供しています。

決算書の簡易診断 No.10 フクダ電子株式会社

フクダ電子株式会社 簡易B/S、P/L

【決算書の簡易診断とは】

実在する企業の決算書(主に貸借対照表と損益計算書)の中身を4つのチェックポイントから簡易的に経営診断したものです。各チェックポイントを独自の判断により「優」「良」「可」「不可」の4段階で評価しています。

簡易診断結果は十分な経営分析ではありません。参考としてご覧ください。


【チェックポイント1】債務超過に陥っていないか?

  1. 2019年度3月期時点の総資産(=負債と純資産の合計)は1,609億円で、対前年度+34億円の増加となっています。
  2. そのうち、負債合計は418億円(対前年度▲25億円)、自己資本(純資産)は1,192億円(対前年度+59億円)です。総資産額よりも負債合計額が小さいので債務超過ではありません。
  3. 自己資本比率(※自己資本=純資産としています)は、対前年度+2.2ポイント改善し、74.1%のとても良い水準です。
評価「優」

【チェックポイント2】営業利益・経常利益は黒字か?

  1. 当期の本業の基礎収益力を表す営業利益は、対前年度+3億円の増加となっており、126億円の黒字です。売上高営業利益率は9.7%で、対前年度+0.2ポイントの上昇です。
  2. 当期の正常収益力を表す経常利益は、対前年度+6億円の増益で、133億の黒字です。
  3. 売上高経常利益率は10.2%で、対前年度+0.4ポイントの上昇です。
  4. 売上高に対する比率はどちらも10%付近となっており、とても優良な収益構造です。
評価「優」

【チェックポイント3】損益分岐点比率は100%を下回っているか?

  1. 損益分岐点比率は74.5%とまずまずの水準です。対前年度では▲1.0ポイントの改善となっており、生産性が向上しています。
評価「可」

【チェックポイント4】現・預金残高は月商(ひと月の売上高)の1.5ヶ月分あるか?

  1. 運転資金や手形の不渡りなどの不時に備えた手元現預金月商倍率は4.33ヶ月(対前年度+0.01ヵ月)です。判断基準値である1.50ヶ月を大きく上回る優良な水準です。
評価「優」

【総合評価】

  1. 2019年3月期は対前年度で増収増益の良い経営成績です。変動費が増加(+6億円)していますが、それ以上の売上高の増収(+9億円)を確保した結果、貢献利益は増加(+3億円)しています。売上に比例する変動費を適正に管理しており、売上高貢献利益率は対前年度+0.1ポイントの改善となっています。
  2. 一方、売上に係わらず発生する固定費が削減(▲3億円)となった結果、経常利益は増益(+6億円)となりました。
  3. 固定費を減らしながら、固定費回収パワーの貢献利益を増やすという良い構造です。
  4. 財務面では、自己資本の厚みを増やしたのに対し、資産(資金運用)の伸びを押さえたことで負債を削減し、財務構造を改善しています。現預金残高も十分なストックがあり、問題ありません。
評価「優」

【その他】

  1. 新型コロナウイルスによる社会経済のダメージの大きさは皆さんご存知の通りですが、今特に問題になっているのは資金繰りです。感染被害や自粛による休業により、資金繰りが悪化し、閉店や倒産に追い込まれる事態が発生しています。これは対岸の火事ではなく、医療機関もその危機に面していますので十分ご注意ください。
  2. 手元の現預金のストックと今後のキャッシュフローに注意し、早めの資金繰り対策にお取り組みください。
  3. また、変動費である医薬品などの仕入も従来通りのままとはいきませんので、仕入体制や在庫管理には十分ご留意ください。


  4. 会計の本質的な部分を理解し、貸借対照表と損益計算書の中身を読み解く力をつけることで、より詳細な分析を行うことができます。「絵でつかむ会計力リーダー養成講座」をまだ受講されていない方は是非ご検討ください。


    また、診療報酬改定に関する情報は「会員制倶楽部オベリスク」にて随時配信中です。ご興味のある方は併せてご検討ください。