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≪医療関連ニュース≫
主に医療機関や介護福祉関係にお勤めの方向けに、役立つ医療関連ニュースをピックアップして配信しています。
2021年1月26日のヘッドライン
- 備えよ、次に。Withコロナ、政府、不特定多数者の市中感染調査開始
3月からを予定。
通行人にPCR検査を無料提供。SNS情報などと総合しAI解析。
流行の早期探知が狙い、と。東京新聞が報道。 - 老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が加齢現象や生活習慣病を改善 <東京大学医科学研究所>
1月15日、東京大学医科学研究所の城村由和助教らの研究グループは、加齢に伴って蓄積し、動脈硬化や糖尿病などさまざまな加齢関連疾患の原因となる「老化細胞」だけを除去する薬剤を発見し、マウスを使った実験で、これらの疾患改善にも成功したと発表した。
研究グループは、老化細胞の生存に必須な遺伝子群を探索した結果、グルタミン代謝に関与する「GLS1」を同定した。さらに、老化細胞はリソソーム膜に損傷が生じ、細胞内pHが低下することで、GLS1の阻害に対する感受性が亢進することも明らかにした。また、老齢マウスにGLS1阻害剤を投与したところ、さまざまな組織・臓器における老化細胞が除去され、加齢現象が改善。加齢関連疾患モデルマウスにおいても、肥満性糖尿病、動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝(NASH)の症状改善にGLS1阻害剤が有効であったという。
人間でも、加齢とともにGLS1の働きが強まることが分かっていることから、研究グループは、老化細胞の代謝特異性やそれに起因する脆弱性が明らかとなり、それらを標的とする薬剤を開発することで健康寿命の亢進のみならず「がん」や「動脈硬化」などのさまざまな老年病の予防・治療への展開も期待できるとしている。
◎参考サイト:東京大学医科学研究所プレスリリース - 生活習慣病因子の因果関係を推定するAIを開発 <帝京大学・大阪大学>
帝京大学と大阪大学は昨年12月25日、健診データから生活習慣病因子の因果関係を推定するAIを開発したと発表した。研究では、大阪府保険者協議会と大阪府国民健康保険団体連合会の60万人規模の健康診断データ(個人を特定できないように加工済み)から、因果関係を自動的に推定する数理モデルを使用し、因果ダイアグラムを構築したところ、「善玉コレステロール(HDL)の増加はBMI、中性脂肪、血糖値を改善する要因となる」「BMIは血糖値や肝臓悪化の指標であるGPTに悪影響をもたらす」などの結果が得られた。ダイアグラムでは、各項目同士の因果関係が矢印示され、可視化することが可能。グループは「生活習慣病の保健指導などにエビデンスに基づいて活用できる可能性が示された」としている。
◎参考サイト:プレスリリース<帝京大>
(公開日 : 2021年01月26日)