診療報酬深堀りニュース

日本医師会が「TKC医業経営指標に基づく経営動態分析」を公表

(執筆者)株式会社MMオフィス 工藤高

日本医師会は「TKC医業経営指標に基づく経営動態分析」を公表した。これにより、2022年度診療報酬改定に向けて、WAM(福祉医療機構)、医療経済実態調査と3つの2020年度医療機関経営分析結果がそろった。どの調査も新型コロナ補助金等を除く医業利益率は対前年度に対して大きく悪化している。TKC医業経営指標の特徴としては、(1)対象施設は民間の病院・診療所である、(2)診療所の客体数が多い、(3)月次監査を実施している医療機関を対象とし財務会計システムと直結したデータベースから集計されているため信頼性が高い―ことが挙げられる。同調査では2020年度については、「一般病院では、医業利益率(除補助金)が前年度に比べて大幅に低下し、経常利益率(含補助金)も低下した」「診療所では、医業利益率(除補助金)及び経常利益率(含補助金)ともに大幅に低下し、無床診療所(法人)の小児科、耳鼻咽喉科は赤字になった」「役員報酬は病院、診療所ともに引き下げられた」「病院、診療所とも損益分岐点比率が95%を超える危険水域に達し、きわめて脆弱な経営体質である」―こと等が明らかになった。この結果により、日本医師会は「今後、コロナ関連の補助金が縮小された後、たちまち医療機関経営が綻びかねない状況にある。ましてや政府が収入の引き上げを決定された看護職員を除いては処遇改善の余裕はなく、安全・安心な医療提供体制を持続、向上させるためにも診療報酬財源による更なる下支えが必要である」としている。たしかにコロナ補助金はあくまでも単年度の経営損失補填機能であるが、2022年度診療報酬改定は来年4月から2年間の医療機関経営を安定的に支えるものではなければならない。

(公開日 : 2021年12月14日)
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