人事労務 F/U NO.59

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1.外国人を雇う際に必要な手続き
2.個人データの取り扱いに関する注意喚起

(執筆者)社会保険労務士法人 伊藤人事労務研究所


外国人を雇う際に必要な手続き

アルバイトで外国人に働いてもらうことになりました。外国人の雇い入れの際に必要な手続きがあると聞きましたが、どのようなものでしょう。

外国人を雇用することとなった事業主は、外国人労働者の雇入れおよび離職の際に、「外国人雇用状況の届出」が義務づけられています。
なお、在留資格が「外交」「公用」及び特別永住者については届出の必要はありません。

① 雇用保険に加入する場合

雇用保険に加入する外国人の場合、「被保険者資格取得届」または「被保険者資格喪失届」の様式の中に必要事項を記載できるようになっています(図1参照)。これを管轄のハローワークに提出することで、外国人雇用状況の届出をおこなったことになります。

外国人を雇用する際は、不法就労を防止するため「在留カード」で就労可能かどうかを確認する必要があります。外国人雇用状況の届出の記載内容は、全て在留カードから確認できます。

雇用状況の届出の期限は、取得届と喪失届の期限と同じです。「雇入れ」の場合は翌月10日まで、「離職」の場合は10日以内です。

【図1】雇用保険被保険者資格取得届の外国人雇用に関する記載欄

 雇用保険被保険者資格取得届の外国人雇用に関する記載欄

② 雇用保険に加入しない場合

雇用保険に加入しない外国人の場合は、「外国人雇用状況届出書」を管轄のハローワークに提出します(図2参照)。届出期限は、「雇入れ」「離職」ともに翌月末日までです。

【図2】外国人雇用状況届出書の記載内容

 外国人雇用状況届出書の記載内容

③ 届出はインターネットからが便利

外国人雇用状況の届出は、政府の電子申請窓口「e-Gov」や「外国人雇用状況届出システム」からおこなうことができます。

なお、これまでに一度でも用紙を使ってハローワークに外国人雇用状況の届出をおこなったことのある事業主は、インターネット上からユーザIDとパスワードを取得することはできません。管轄のハローワークにインターネット利用へ切り替える旨を申し出る必要があります。

④ 届け出た内容を確認したいときは

事業主が、過去におこなった「外国人雇用状況の届出」の内容の確認を希望する場合、「事業所別外国人雇用状況届出一覧(写)交付請求書」を管轄のハローワークに提出することで、一覧の交付を受けることができます。

届出もれが心配になったときなどに確認することができます。

⑤ 罰則があります

届出を怠ったり、虚偽の届出をおこなった場合には、30万円以下の罰金が科されることがあります。たとえ短期のアルバイトでも届出の義務は免れません。忘れずにおこないましょう。


個人データの取り扱いに関する注意喚起

最近、個人データの取り扱いに関し、内部的な不正行為による悪質な事例が増加しています。

元従業員が、元勤務先の名刺情報管理システムのログイン認証情報を不正に転職先の従業員に提供した事例や、大手学習塾の講師が生徒児童の個人情報をSNSのグループチャットに投稿した事例などです。

これらの事例を踏まえ、個人情報保護委員会が注意喚起をおこなっています。

① 安全管理措置等に関する留意点

従業員等による故意の提供などにより漏えいする個人データには、大量かつ有用性が高い情報、機微な情報が含まれることがあります。従業員の教育、個人情報データベース等を取り扱う情報システムのアクセス制御・ログの定期的な分析等などの安全管理措置を講じることは、内部的な不正行為による個人データの漏えいを防止する観点からも重要です。

個人情報保護委員会では、特に以下の措置について、今一度確認・検討することを呼びかけています。

組織的安全管理措置
  • 組織体制の整備
  • 個人データの取り扱いに係る規律に従った運用
  • 個人データの取扱状況を確認する手段の整備
  • 漏えい等事案に対応する体制の整備
  • 個人データの取扱状況の把握および安全管理措置の見直し
人的安全管理措置
  • 従業者の教育
物理的安全管理措置
  • 個人データを取り扱う区域の管理
  • 機器及び電子媒体等の盗難等の防止
  • 個人データの削除および機器、電子媒体等の廃棄
技術的安全管理措置
  • アクセス制御・アクセス者の識別と認証
  • 外部からの不正アクセス等の防止
  • 情報システムの仕様に伴う漏えい等の防止
(公開日 : 2024年03月15日)
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